身近に犯罪の被害に遭った人がいる方へ

犯罪に巻き込まれた場合、勿論、本人が一番辛いのは言うまでもありませんが、
ケースによっては、身近にいる人も傷つき、混乱しているかもしれません。
その様な場合、周りの方へ伝えたいことは、外傷体験者本人に対してもそうですが、自身のことも
『責めないで欲しい』
ということです。

事件や事故を防げなかったとか、
相手が立ち直れないのは自分のせいではないか、とか。
そうして自分を責めないで欲しいです。

そして、無理をして外傷体験者をサポートしようと思うより、第三者に相談したり、公共の相談機関や自助グループで相談するなどして、まずは、自分の気持ちの整理をして下さい。
傷付いたまま手を差し伸べることは、泳げない人が溺れる人を助けるようなものです。
なので、まずは自身のケアを大切にして下さい。

そしてもしも余裕があれば、外傷体験者の話を聞いてあげて欲しいです。
本人が話したい時に…。

この時、こちらからはあまりいろいろ聞かずに、本人が話すに任せてあげて下さい。
外傷体験後、暫くは記憶が曖昧だったり、前後していたり、伝えるべき事を伝え忘れてしまったり、というようなことが起こります。
でも、「あれ?」とか「つじつまが合わない」とか思うようなことがあっても疑わず、まずは聞いてあげて下さい。
そうして話すことで本人は記憶の整理をしたり、その出来事を受け入れていく作業をしています。
記憶の整理が進めば本当のことが分かってくると思います。

でも私は、真実が常に重要だとは限らないと思います。
外傷体験の内容によっては、周りの人も「真実が知りたい」という気持ちが出てくると思いますが、大事なことは、
『本人が今の苦しみから抜け出し、元気になってくれること』
です。

そして、その辛い体験から何かを学び、それを今後の人生の糧にしていくことで、
『その体験に何らかの意味づけができること』
です。

それが一番『本人のため』です。

周りの人には、本人がそういう道を歩んでいくためのサポートをしてあげて欲しいと思います。
真実を知ることがそのために必要か、ということも考えてみて欲しいです。

そうして、傍にいて話を聞いてくれるだけで外傷体験者にとってこんなにありがたいことはありません。
その時は余裕がなくて感謝の言葉も出ず、逆に八つ当たりのような態度をとってしまうこともあるかもしれませんが、後から思い返してみると、その時に『一人じゃなかった』ということが、どんなにありがたかったか実感する日が来ます。

それから、外傷体験後に出てくる様々な症状や今までとは違う言動に関して、どうか理解を持って接してあげて下さい。
本人は勿論ですが周りの方にも、本を読んだりお医者さんの話を一緒に聞くなどして理解を深めて頂けたら、外傷体験者にとってこんなに心強いことはありません。

私が事件にあった頃はPTSDという言葉は今ほどメジャーではなく、私はインターネットや本を通じてその言葉を知ったのですが、
自分の身に起きている不思議な現象をきちんと理解し、周りの人にも理解してもらうことで、自分を必要以上に責めることも、周りの人に誤解されることもなくなりました。

外傷体験後にどんな反応が出るのかをきちんと理解することは、変な誤解や無駄な争いという第二の被害を避けるために絶対に必要なことだと思います。

あとは時間が解決してくれるのを待つしかありません。

外傷体験後はいろいろな症状が出たり、人格が変わってしまったように感じることもありますが、必ず良くなります。
その時が来るまで、無関心にならず、かと言って必要以上に励ましたりせず、そっと寄り添ってあげて下さい。

外傷体験者にとって、「早く元気にならなきゃ」というプレッシャーほど辛いものはありません。
「何かしてあげたい」「早く元気になって欲しい」という気持ちは痛いほど分かりますが、先程も書きましたが、本人にとっては誰かが傍にいてくれるだけでありがたいものなのです。

今の自分を受け入れ、批判することなく、回復を信じ待っていてくれる…、
それだけで、十分なのです。

つまり、外傷体験者の望むことは、次の4つです。

①自分を責めないで欲しい

②余裕があれば、こちらが話したい時に話を聞いて欲しい

③PTSDの症状に関して理解を深めて欲しい

④元気になるまで、過干渉にならず、無関心にならず、傍で見守っていて欲しい

勿論、ご自身のケアも忘れずに、自分が辛くなったらカウンセラーなどに相談し話を聞いてもらったりアドバイスをもらうことも大切です。
「自分一人で支えよう」
「自分が治してあげなければ」
と思わなくても大丈夫です。

最終的には、その人を救えるのはその人しかいません。
本人が自分の足で立ち上がるまで、心寄り添わせ、見守ってあげて下さい。

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